当院の機器紹介②エコー装置

前回に引き続きまして当院の機器紹介です。今日はエコー装置についてです。

乳がんの診断においてはマンモが基本とお話ししましたが、最近増加傾向にある若年者の乳がんではマンモの診断精度は決して高くありません。なぜかというと、若年者では乳腺組織が多いため高いため、マンモで乳房を撮影すると全体が白く写ってしまい、こちらも白く写る腫瘤や石灰化が目立たなくなるからです。例えるなら真っ白な雪山に狩りにいって、真っ白なうさぎを雪山で見つけるのが難しいのと同じです。実際に、若年者の乳がんでは半数近い方がマンモでは病巣が検出されずエコーでのみ病巣が検出されます。このため、とりわけ乳腺濃度が高い日本人の乳がん診療ではエコーは必須の機器なのです。

当院の導入機種は日立製の『Hivison Preirus』という機種です。この機種の売りはなんと言ってもエラストグラフィです。エラストグラフィは乳房などに腫瘤を認めた場合にその組織の硬さから、おおよその組織の推測ができるという機能です。腫瘍はその性質に応じて、ある程度の硬さが決まっています。このため硬いものと、柔らかいものでは腫瘤を押した際の歪みに差ができます。その差を数値化し色で示したものがエラストグラフィです。この検査で、生検が必要な病変を絞り込むことができ、不要な生検を減らすことができます。この機能は日立が開発したものですが、他社も似たような機能を発表していますが使いやすさや表示能力は日立のものに一日の長があります。また、基本画像のきれいさもこの機種の特徴です。もともと、テレビを作っていた会社だから当然なのかもしれません。あと、日本製ですのでいろいろな設定が基本的には日本語でできるというのも利点です。

エコーの最大の利点は被ばくなどの侵襲(体に害を与えること)がないことです。また、検査での痛みもほぼほぼありません。このため、何回も繰り返し検査ができます。初回のエコー検査で分からなかったけれども、繰り返しのエコー検査で初めてわかったというがん病変の経験もたくさんあります。

乳腺以外でも、エコーはお腹や甲状腺の病気はもちろん、さらに最近では肩こりや腰痛などの整形領域の診断にも有用になってきました。もはや、エコーは聴診器や触診感覚で用いる機械です。ただし、エコーは検査をする人間の能力にかなり左右されます。日々知識をアップデートして適切な診断を行えるように私自身もがんばって参ります。