マンモグラフィデータ持参者様への再撮影について
乳がん検診で異常を指摘された際に、マンモグラフィのデータが入ったCD-ROMを持参して頂ける患者さんが増えてきました。異常の指摘内容がよく分かり、検査も二重にしなくて済むので、我々にとっても患者さんにとっても非常にありがたいことです。今後、この制度がより普及されることを私は望んでおります。
しかしながら、頂いた画像データの中には、画質やポジショニングの点で正しく診断・読影するために難があるものがあります。コントラスト(白黒)が強くつけられてしまっているもの、画素が粗くて腫瘤辺縁や石灰化性状の判別がつかないもの、乳腺が途中で途切れているものなどがあります。とくにコントラストの付け過ぎは、FADの検出感度を異常に高めてしまいますし、石灰化も見えにくくしてしまいます。このため、こういった画像と判断した場合に限り、再度当院でのマンモグラフィ撮影をお願いすることがあります。患者さんにとっては、せっかく画像を持ってきたのに、余計な被爆が心配、撮影料が余計にかかってしまうなどのご不満があるかもしれませんが、正しく診断を行うためなのでご了承ください。なお、検査結果説明時に、持参マンモグラフィと当院撮影マンモグラフィを並べて表示させて頂くのですが、ほぼ皆様が再撮影した理由が分かって頂けるようです。
ただし、これらはマンモグラフィの機種による画像描出・表現の差であって、逆に自分がいつも読んでいる画像がコントラストが付けなさ過ぎているのも知れず、一概にその画像が悪いとは言い切れないところもあります。また、頂いた画像は自院のビューワーで再現されるわけですが、データとビューワーの相性が悪く画質が悪くなっている可能性もあるかもしれません。今後、この辺りをメーカーさんなどと確認していく必要もありそうです。