4月から帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始されます。その1
4月から帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始されます。
帯状疱疹は、幼少時に感染した水痘ウイルスが加齢やストレスなど何らかの原因で免疫機能が低下した際に再び活動をし始めることで発症します。神経の流れに沿って水膨れを伴う発疹で発症し、時に激烈な痛みを起こします。発疹の改善後も強い痛みが遺残することがあり、これを帯状疱疹後神経痛と呼びます。帯状疱疹後神経痛は日常生活にも大きく影響し生活の質(QOL)を低下させます。人によってはこれが原因でノイローゼになってしまう方もおられます。また、目や耳の神経などに感染した場合はこれらの器官に大きな障害を起こすこともあります。
また、定期接種は法律(予防接種法)で接種が勧められる予防接種で、その費用の全部もしくは一部が公費負担となります。帯状疱疹ワクチンは以前からあったのですが、法整備を終え、この4月から定期接種となります。
4月から接種可能な帯状疱疹ワクチンには2種類あります。ひとつは従来より水痘ワクチンとして用いられている生ワクチンです。水痘の予防接種として乳児に接種するものと同様です。乳児にも接種可能なものなので安全性が高いこと、接種費用が安価(今回なら2500円)がメリットです。ただし、効果の持続期間が5-7年とされるため永久的な効果は望めません。もうひとつがシングリックスと呼ばれる不活化ワクチンです。生ワクチンに比べ効果持続が長期なのがメリットです。開発されてから10年程度なので、正式な効果持続期間は『10年目でも効果が確認されている』に留まるのですが、恐らく半永久的な効果があると思われます。デメリットしては2回接種が必要なこと、そして歴史が浅いために未知の有害事象がありうるといことがあります。最大のデメリットは接種費用が2回で50000円程度と高価で普及が進みませんでした。しかし、今回の定期接種化で負担が2回で13000円となり、かなり軽減されます。
話が長くなってしまったので次回のブログでより具体的な接種の進め方を説明します。