コロナ感染症;検査ができない!
先日のブログでコロナ感染症の診断に用いる抗原検査の検査キット不足について書きましたが、その続報です。ここ数日の爆発的な感染の拡がりで検査件数もさらに増え、当院を含めた各医療施設にある検査キットの在庫がほぼ底をついた状況となりました。検査キットを発注しても生産が追い付かず入荷の目途が全くたっていません。これを受けて、地域医師会・基幹病院から抗原検査の有効活用のために下記のような提案がありました。
①陰性確認のためには使用しない(=無症状の方には検査しない)。
②若年者あるいは軽症者は発熱などの症状の初発時に検査しない。自宅待機を指示して3日以上発熱症状が続くときに検査を検討する。
③(症状がない)濃厚接触者には使用しない。
これは、限られた資源を有効に使用するためやむを得ない方針かと思われます。これをうけて当院でも検査対象は検査キット不足が解消されるまでは抗原検査の対象は以下のような方に限らせて頂きます。もちろん、在庫がなくなれば検査は行えませんが。
①65歳以上の高齢者あるいは基礎疾患があるかた。
②低酸素状態(パルスオキシメーターでの酸素飽和度低下)であるかた。
③37.5度以上の発熱が3日以上続いているかた。
せっかく受診したのに検査が受けられないという不満を持たれる方もおられるでしょうが、より状態が悪いかたを優先し、救える命を救うというのが原則です。ご理解の程、よろしくお願いいたします。
なお、PCR検査の方も、検査判定までにやはり時間がかかっています。翌日には判明していたものが、早くても2日目の朝、場合によっては3日間かかることもあります。これだけ時間がかかってしまうと、検査結果がでるころには重症化していたり、逆にすでに症状のピークを越え快方に向かっているのが実際です。結局は治療や感染拡大予防にもつながらないということになり検査の意味は、感染の確認のみとなります。このため、こちらも対象をもっと絞っていく必要がありそうです。PCR検査を意味のある検査にするためにも抗原検査と同様な患者さんに対象を絞って検査をしていくべきだと思います。
最後に、前回のブログの繰り返しになりますが今回の事態を引き起こした要因は無計画、無責任な検査キットのバラマキの影響が大きいです。この愚策に関わった方々には大きく反省を促したいところです。