COVID-19の抗原検査とPCR検査

新型コロナウイルス感染症の収束の目途がなかなか立ちません。当院でも、可能な限り発熱・かぜ症状の患者さまに対応しており、一般的な理学所見やレントゲン検査に加え、COVID-19の抗原検査およびPCR検査を行っております。本日は、新型コロナ感染症に対して行われる抗原検査とPCR検査の両検査のメリットとデメリットについて説明します。

抗原検査は新型コロナウイルスの表面にある抗原にその抗体を反応させることで感染状況を調べる検査です。この検査のメリットは、結果が採取後最短15分で判明することやインフルエンザの検査も同時に行えるなどが挙げられます。デメリットはPCR検査に比べて感度(感染患者さんを正しく陽性とする)が低く、偽陰性(実際には感染しているが検査では陰性になること)の可能性があることなどが挙げられます。

PCR検査は、コロナウイルスが持つ独特な遺伝子配列と反応する物質(プライマー)で増幅させて感染状況を調べる検査です。メリットは少量のウイルス量でも検出できること(すなわち感度が高い)です。デメリットは結果の判明まで時間がかかることで、当院が委託する検査会社では次の日の朝まで検査結果は分かりません。

検査費用としてはPCRの方が3倍ほど高額ですが、保険適応であれば公費で賄われるので双方とも患者さんへの負担はありません。検査を行う方のリスクは正しい採取方法で行えば差はないものと考えます。

当院では患者さんの状態やご希望に応じて使い分けをしていきます。

なお、これらの検査は保険適応で行うので、症状があるかたに適応は限定させて頂きます。『○○に行くから、コロナ陰性を確認してほしい。』等は、自費検査となります。